ご家族にがんの方がいる方・がんが心配な方
ご家族にがんの方がいる方・がんが心配な方

〜消化器がんのリスクと、早めに相談してほしいこと〜
「親が胃がんだったので、自分も心配です」
「兄弟に大腸がんがいます。自分も検査を受けた方がよいですか?」
「家族に膵臓がんがいて、不安があります」
このようなご相談は、消化器内科の外来でよくあります。
がんは誰にでも起こり得る病気ですが、一部のがんでは「家族歴」が発症リスクに関係します。家族歴とは、血縁のあるご家族に同じ病気の方がいることを指します。
ただし、ご家族にがんの方がいるからといって、必ずご自身もがんになるわけではありません。大切なのは、「自分はどのがんに注意すべきか」「どの検査を、いつ受けるべきか」を知ることです。
消化器がんの多くは、早期には症状が目立たないことがあります。症状が出てからでは進行していることもあるため、家族歴やリスク因子がある方は、早めの相談や定期的な検査が大切です。
受診時には、分かる範囲で次のことをお伝えください。
特に、若い年齢でがんになった方がいる場合や、複数の血縁者にがんがある場合は、遺伝的な体質が関係していることがあります。
食道がんは、家族歴だけでなく生活習慣の影響が大きいがんです。特に、飲酒と喫煙は重要なリスク因子です。お酒を飲むと顔が赤くなりやすい方で飲酒習慣がある場合も注意が必要です。
食道がんは、早期では症状が乏しいことがあります。飲酒・喫煙歴がある方、胸焼けやつかえ感が続く方は、胃カメラで食道も確認することが大切です。
胃がんは、ピロリ菌感染との関係が非常に深いがんです。ご家族に胃がんの方がいる場合、ご本人もピロリ菌に感染している可能性があります。
ピロリ菌に感染している状態が長く続くと、胃の粘膜が萎縮し、胃がんのリスクが高くなります。除菌後もリスクがゼロになるわけではないため、定期的な胃カメラが重要です。
胃がんは早期であれば治療の選択肢が広がります。ご家族に胃がんの方がいる場合や、ピロリ菌検査を受けたことがない方は、一度ご相談ください。
胆道がんは、胆汁の通り道である胆管や胆のうにできるがんです。発見が難しく、症状が出たときには進行していることもあります。
家族歴だけでなく、胆管や胆のうに慢性的な炎症がある方では注意が必要です。
胆道がんは、腹部超音波検査、血液検査、CT、MRI/MRCPなどを組み合わせて調べます。胆のうポリープや胆石を指摘されたことがある方は、放置せず経過を確認することが大切です。
膵臓がんは、家族歴が特に重要ながんの一つです。親・兄弟姉妹・子どもなど近い血縁者に膵臓がんの方がいる場合、ご自身のリスクも高くなることがあります。
また、膵臓がんは早期発見が難しいがんです。症状が出にくいため、リスクがある方では症状が出る前からの注意が重要です。
膵臓がんが心配な方には、腹部超音波検査、血液検査、CT、MRI/MRCP、超音波内視鏡検査などを状況に応じて検討します。特に家族歴がある方、糖尿病が急に悪くなった方、膵のう胞を指摘された方は、一度ご相談ください。
肝臓がんの多くは、慢性的な肝臓の炎症や肝硬変を背景に発生します。以前はB型肝炎・C型肝炎が大きな原因でしたが、近年は脂肪肝、糖尿病、肥満に関連した肝臓がんも注目されています。
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気が進むまで症状が出にくいことがあります。
B型肝炎・C型肝炎、脂肪肝、糖尿病、肝機能異常を指摘された方は、定期的な血液検査や腹部超音波検査が大切です。
大腸がんは、家族歴の影響を受けやすいがんの一つです。親・兄弟姉妹・子どもに大腸がんの方がいる場合、ご自身の大腸がんリスクも高くなることがあります。
大腸がんは、多くの場合「大腸ポリープ」から発生します。ポリープの段階で発見して切除することで、がんの予防につながる可能性があります。
便潜血検査で異常を指摘された方、血便がある方、家族に大腸がんの方がいる方は、大腸カメラを検討してください。
がんの種類によっては、同じ遺伝的な体質が関係していることがあります。
たとえば、以下のようながんが家系内にある場合は、消化器がんのリスク評価にも関係することがあります。
特に、若い年齢でがんになった方がいる場合、同じ種類のがんが複数いる場合、複数の種類のがんが家系内にある場合には、通常より慎重な対応が必要になることがあります。
家族歴があるから必ずがんになるわけではありません。
しかし、リスクを知り、適切な検査を受けることは、早期発見や安心につながります。
当院では、胃カメラ・大腸カメラ・腹部超音波検査・血液検査などを組み合わせ、患者さま一人ひとりの家族歴やリスクに応じた検査をご提案します。
気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
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